サンプル画像

生産者を悩ませる「ポジティブリスト」って何?

  • Yahoo!ブックマークに登録する
  • はてなブックマークに登録する
  • livedoorクリップに登録する
  • FC2ブックマークに登録する
  • Buzzurlブックマークに登録する
  • del.icio.usブックマークに登録する
  • ニフティクリップに登録する

 「トレーサビリティー」などと横文字が出て来たと思ったら今度は「ポジティブリスト」である。日本国なんだから日本語を使えといいたくなる。これは新しい法律であるが農水省から出たものではない。厚労省から出たものである。厚労省というのは生産者の立場に立っていない。健康を守るということで消費者の立場に立っている。法律がむずかしいのに、さらにややこしくなっている。消費者の窓口は保健所という事になるのである。

 そもそも「ポジティブリスト」って何か知っているでしょうか。中国のホウレン草に端を発した生産物の残留農薬に関する法律である。基準が非常に厳しいのに基準を超えたら生産物販売禁止という罰則まである。実に頭の痛い話なのである。




 いままで農薬を使えと言っておきながら、いきなり農薬はダメである。無茶苦茶である。生産者泣かせもいいところである。しかし法律は決定してしまい、すでに施行され効力を出しているのである。法律の恐ろしい所は法律を盾にすべてが正当化される事である。それ自体、大きな権力となる。権力だから乱用する者も出ないとは限らないのである。だから対策だけは立てておく必要がある。




 このわけのわからない法律の対策はどうすればいいのだろうか。法律というのは実におもしろく出来ている。法律が実効を持つ前提として、その法律を知っていたか、知らなかったかという事が大前提になる。刑法でも計画的か思いつきかで罰は天地ほど違う。




 二つ目は省益が対立しているものは積極的に実行されない。今回の法律について農水省は積極的ではない。




 三つ目は法律違反として成立するには確かな証拠が必要であり、それを証明する義務がある。因果関係を明確にしないことには法律の適用はされない。




 四つ目、法律は前例を尊重する。判決というのはすべて前例・慣例から出てくる。お役所の人が前例がありませんというあの前例である。




 五つ目はもし法律違反者を出し実効するとしたら社会的に大きな効果を期待できないものはやらない。マスコミが集中して報道したくなるようなものである。




 六つ目は現実に健康被害者が出ない限り、実効されることは少ない。




 七つ目は保健所の管理で検査をされるが、限られた人間で大量の生産物を検査する事は不可能である。ではどうして法律違反者が出てくるのか。内部告発かタレ込みである。




 つまり、そんなに神経質になる必要はないということである。善意の生産者を意図的に地獄に落とすような事はないのである。では安心してよいのか。そうではない。法律の恐ろしい所は時間を経過した時である。「男女雇用機会均等法」という法律が出て、男女の差をなくせという事になった。これが出た時は何でもなかった。しかし二〇年近くもなると大変なことになった。男女の賃金差がない。女性の上司が多くなった。女性の社長も出てきた。女性が金持ちになったことで結婚が遅くなった。独身女性がふえた。わずか二〇年前では考えられない社会になったのである。男が生活を支える過去の生活はうすれつつある。離婚もふえた。年金は夫婦の畑によって得られたものという考えから、妻の取り分が認められるようになる。そうするとさらに離婚はふえるのだそうである。このように法律は時間を経過すると大きな力を持ってくる。ここが要注意なのである。




 法律というのは将来いろいろな事が起こりうるかもしれないための自衛策でもある。もしもそうなった場合を想定している。このポジティブリストは何を想定しているのか。それは食品と健康被害である。




 農薬を使い続けて50年以上になる。アトピーなどのアレルギーは農薬が原因だと言われているがはっきりしない。それ以上に心配なのが環境ホルモンである。ホルモンのバランスがくずれメスだけが多くなって種の保存ができなくなる。現実に現在の若い男性の精子数は極端に減少しているのだというのである。元気なのは女性ばかりである。




 だから、この法律がまったく意味もなく、ただ生産者イジメで出されたものとは限らないのである。背景や根拠はあると言っていい。こちらの方の対策がもっとも大切なのである。地球温暖化の環境問題、化学物質アレルギー、環境ホルモンなどを考えると「安全な食づくり」は時代の要求と考えた方がわかりやすい。




 この際だから農薬を使わない農法に切り替えるのが一番の対策になりそうなのである。時間が経てば男女雇用機会均等法のようにいずれ農薬の使用量は制限される。それなら今から農薬を使わない農法にしておいた方がよいのである。この問題は日本だけではないのである。ヨーロッパではもっと厳しい。この厳しい国際基準に近づける内容で作られたのである。だからもっと厳しい規制になる可能性は大である。




 この逆風を利用して順風にするには積極的に農薬対策をした方がいい。そして農薬を使っていない事をアピールするのである。農薬への関心が高くなっている時である。トレーサビリティーも同じである。常日頃からそういう農業に切替えをする事で対策は万全になる。