土壌温度が低いと病害は出やすい
●土壌分析の落ちし穴に注意しよう。
●土壌温度が低いと病害は出やすい
土壌分析の落ちし穴に注意しよう。
少しでも良い土にしたいと思い、土壌分析をする。結果が出てくる。「この成分が少ないから投入しなさい。」となる。このやり方は正しいのだろうか。バランスの取れた土壌になるのだろうか。ここに大きな問題が隠されている。
例えば微量要素である。微量要素はおいしさを作る為に欠く事のできないものである。微量要素は酸性で吸収されるがアルカリ性に近くなると吸収されなくなる。欠乏という診断結果が出てくる。与える、効果が出ない、を繰り返す。よく調べてみると上層の土には多いが下層の±に少ないことがわかる。深く掘り起こしてかき混ぜる。P.Hが下がる。蓄積された微量要素が一気に溶け出す。生理が狂ってしまい微量要素の過剰害が一気に出る。
生産者としては土壌診断の結果、正しい対策をしたはずなのである。しかし、結果は逆になってしまう。こういう例は身近にいくらでもある。例えば全面マルチをしている畑である。石灰が流れ出さず停る。P.Hが上昇する。対策を立てる。畑が壊れる。このパターンになってしまう。交換性の成分も同じような事が言える。
交換性のアンモニア、カリ、マグネシウム、カルシウムと土壌分析すれば出てくる。しかし、この意味がわかっている人が少ない。仕組みと意味がわからなければ分析しても使いようが無いのである。「不足しているから投入しなさい」では、本当の土壌分析の意味をなしていない。
まず、仕組みから説明しよう。交換性というのは預金に例えると定期預金である。すぐに使うわけではないが、必要になった時に使う。どういう形で定期預金にしているかというと、肥料というプラス電気に土のコロイドというマイナスの電気をつけて預金している。
土にはO.2以下の粘土質の成分があり、これがマイナスの電気を持っている。この電気が多いほど保肥力は高いという事になる。このマイナス電気に吸着された肥料成分が交換性成分になる。交換性成分でもっとも大切なのがパランスである。
例えば野菜であれば交換性カルシウム60%、マグネシウム15%カリウム5%水素イオン20%という状態が好ましい。バランスが保たれていれば順調に成育をする。
リン酸についても触れておこう。リン酸はリン酸カルシウムが有効休リン酸として分析では出てくる。適量は100g中に10mg〜50mgである。ところが上層±では過剰、下層±では欠乏という畑がめずらしくない。過剰と欠乏が同時に発生している。上層土では300mg〜500mg、下層土の根を張る部分の土は5mg以下になる所がある。リン酸を分析したいとしたら最低でも2ヶ所の土を分析する必要がある。分析値にだまされないように注意したいものである。
土壌温度が低いと病害は出やすい
土の元気を計るものはいろいろある。P.H、肥料成分、膨軟性、排水性、その他もろもろである。では簡単に土の元気度がわかるものがないのだろうか。
人間の体と土の状態はよく似ている。いろいろな内蔵機能が複雑にからみあっている。
風邪をひく。なかなか治らないとしよう。どこか悪いのではと考えるようになる。特に冬場は寒くなって運動も少なくなる。
土でも同じような事が起こる。病気が出た。どこまで広がるのだろうか。もし、広がって全滅したらどうしようか、不安になる。
この時に簡単に元気が計れるものがあったら便利だと思いませんか。病気を治すと元気であるとは、もともと意味がまったく違う。病気が治ってもイコール元気だとは限らない。逆に元気が出るということはまったく病害の心配がないということである。
こういう物差しを明確に持って農業生産をしている人は非常に少ないように思う。「元
気度」を簡単に計れる便利なものは「温度」である。人間であれば「体温」、土であれば「地温」である。人間の体温は36度より下になると病気になりやすい。34度より下になると生命が危険になる。36.5度が適温である。元気になりたいと思ったら体温を上げる事なのである。たった1度上げるだけで免疫力は大幅に違ってくる。
土の元気が簡単に計れるのは地温である。いつも自分の±の地温を知ってお<必要がある。温厄冒十を±の中に差し込んでおいて、毎目記録する。これはとても大切な事である。
土も人間の体と同じように地温が低いと病害が出やすい。例えば化成肥料を多く使用して、土が硬くなっている時の地温は当然低い。それでは地温を上げるにはどうすれぱいいだろうか。方法は一つしかない。微生物を走<さん増やすδである。
人間の体でも微生物と、それが作り出す酵素で体温を上げていくのである。微生物が増えるような醗酵食品を食べると体は温まる。例えば味噌汁である。
土の場合は「ぼかし」である。玄米アミノ酸のぼかしがなぜいい結果を出すのかというと、ぼかしが微生物を増やしてくれて、地温を上げてくれるからである。微生物が増えると土の間にわずかなすき間が出来て酸素を抱くことが出来るようになる。この酸素がさらに土を温めてくれる。
春になって土起こしをした時に地温が高いのと低いのでは大きな違いが出てくる。地温が低けれぱ上げなくてはいけない。大変なエネルギーを使う。この状態で育苗しても苗はよく育つわけがない。地温が高ければ栄養成分も順調に分解されてスクスクと苗が育つようになる。この冬こそ、ぼかしを投入して地温を上げる事をやってみましょう。土の元気が作れるはずである。



