水田転作は100万ヘクタールの一大農業に急成長!成功するための条件は何!
お米余りで減反政策が始まったのは昭和40年の半ば頃である。それ以来ずっと米の消費は落ち込み続けている。米価格も下がる一方である。
それまでは銀シャリと言われ、憧れの食品No.1だった。減反政策は同時に転作の奨励でもある。
その転作面積は100万ヘクタールにもなろうとしている。全水田面積の1/3で
ある。
水田転作がこのようにも大面積になろうとしているにもかかわらず、転作技術のレベルはどうにもならないほど低い。その理由は二つある。一つは補助金である。何もしな
くてもお金が入ってくる。しかもそれが国・県・市町村と3ヶ所から入ってくる。地域によっては転作補助金だけでも10アールに付き10万円にもなるのである。

これでは誰も汗水を流して苦労はしない。二つ目の理由は当初から水田を転作しようとすることに大きな無理がある。これを知らない。そのために転作して成功する人は非常に少ないのである。自給率40%の話とは大きなギャップがある。有効に土地が利用されていないのである。
水田はもともと水を利用している。当り前のようだが当り前ではないのである。水を利用するためには水を集める。人工的に水路を作る。稲田は水が集まりやすいようにできている。これを畑にすると水は邪魔物になる。特に雨期の最後に大雨が降る。大雨で作物がやられてしまう例は実に多い。しかもこの時期は収穫期にあたる。葉物にしても果菜類にしても最後の2週間が最盛期になるのである。ここに大雨が降るとすべてがパアになってしまう。
この水に関係することで注意をしておくことがもう一つある。それは適地である。稲田はもともと泥炭土壌が多い。これは畑作には基本的には向かない。排水が悪く土が乾かないのである。野菜を栽培するには最悪の環境になってしまう。米ならいい米が取れる。逆に排水のいい所は畑作に向いている。米の取れる量は少ない。
適地適作は栽培の重要条件である。以上のように水田転作は「水」のコントロールが成功、失敗の大きなキーポイントになる。水田は水が集まるように作られている。その集まってくる水を逃してやる工夫が必要である。「それなら明渠排水はやっているよ...」問題は大きさである。通常は幅20cm、深さ20cmがスタンダードである。

これでは小さいのである。集まってくる水の量が処理しきれず畑にあふれる。そうすると土の中は酸欠になり全滅する。最低でも5倍、つまり幅50cm、深さ50cmの排水路を作ってほしいのである。水田には雨水が集まるように作られている。これをもう一度考えてみてほしいのである。雨が降ったら他のどこよりも水が集まってくる所が水田なのである。
暗渠排水にしても10m間隔の行政指導では排水は不充分である。5m感覚まで狭くしてほしい。そうすると排水はさらに酸欠することは少なくなる。
水田転作は水のコントロールさえうまくいくと比較的、楽に栽培が出来る。そして収量も取れる。補助金を得て、さらに生産物が販売できてウハウハになるのである。

水田転作の強味というのがある。これは連作障害に強いのである。畑とはまるで違うのである。その理由がまた「水」である。作物を作った後に「水」を引き込んで水を張る。酸欠になってほとんどの草は死ぬ。栽培する時は水抜きをして、土を乾燥させて、玄米アミノ酸のぼかしを10アールに300kgも入れてやれば、いい土が出来る。
水田転作の害虫被害は比較的少ない。これも理由がある。風の通り抜けがよく出来ている。東京オリンピックの前までは米が一番重要な作物だったのである。価格も一番だった。だから一番いい土地が稲田なのである。それを証明するものがある。
中山間地の稲田は土が肥えていて肥料効率が非常にいい。チッソ、リン酸、カリが効きやすい。畑に比較して好条件なのである。

大豆などはチッソ成分が10アールに1kg〜2kgでも作れる。転作して作りやすい野菜ではキュウリ、カボチャなどがある。ナスは肥料を多目にやればうまくできる。
病気は過湿によるカビ病のものが多い。ベト病、ナンプ病などである。これは下葉が過湿害になることが多いのである。消毒する時は下葉の葉裏にまわるようにしてやると
殺菌効率は高まる。
ピーマン類は樹勢が強くて水田転作でも収量は取れる。下葉が少なく上部の先端ほど葉が繁る傾向にあるので上部の葉を間引きして風が通り光が当たるようにするといい。

水田転作利用はこれからも減るとは考えられない。食生活の変化である。米から小麦へ大きく志向は変化をしてしまった。米が主役を回復するには新しい食べ方が開発され
ない限りむずかしいと思われる。
水田転作をする面積はこれからも増えていくと思う。補助金がいつまでも続くわけがない。国の財布はスッカラカンなのである。そうするといやでも水田転作の有効利用をせざるを得なくなる。繰り返して言うが、日本には転作技術が育っていない。しかし、この技術を確立すると農業で大金持ちも夢ではないのである。無策な農政にこそチャンスがあるのである。
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